赤字社長に共通する特徴
引用します
1.税金の支払いが嫌い
会社は利益を出さないと生き残れません。
資金繰りの悩みから解放されたいのであれば、なおさらです。
ところが、赤字社長は税金がかかる話が大嫌いです。少しでも利益が出そうになると、意味もなく節税に奔走します。
とにかく、税金を払わない=赤字であることが悪ではなく、税金を払うこと=悪という価値観なのです。
ひどい場合は、繰越欠損金が多額に残っていて、業績も思わしくないにも関わらず、節税策のことばかりを税理士さんに相談している赤字社長もいます。まさしく本末転倒ですね。
これでは、貯まるべきお金も貯まりません。当然ですが、資金繰りの悩みから解放されることもありません。
会社を黒字にしたいのであれば、「納税」を受け入れる価値観を持たない限り、キャッシュは貯まりません。
2.過去の成功体験から抜けられない
どの会社にも、「よかった時期」があると思います。出した商品やサービスが大当たりして、過去最高売上や過去最高利益を出したこともあるでしょう。
ですが、あくまでそれは過去のこと。過去は過去です。
大事なのは過去にとらわれず、未来を創造して、新たな売上・利益を獲得していくことです。これこそが、まさしく社長の仕事といえます。
なぜこのようなことをお伝えするかと言いますと、時代が大きく変化しているからに他なりません。
パソコン市場の動向が良い例です。
これまでシェアを伸ばしてきたノートパソコンの需要が減退し、スマートフォンやタブレット端末の需要がこれだけ伸びると10年前に誰が予測できたでしょうか?
私自身も2003年に起業しましたが、起業当時は電話とFAXでお客様や取引先とやりとりするのが当たり前の時代でした。お客様のところへは足しげく通い、そのフットワークの軽さを売りにしていたぐらいです。
ところが今では、チャットを使ってお客様から財務相談をはじめとするコミュニケーションを行っています。データもGoogleのクラウドサービスを活用するので、ノートパソコンとスマートフォンがあれば、どこでも仕事ができる時代になりました。
テレビや新聞主体のマスメディアから、インターネットやSNSを主流とするソーシャルメディアが生まれたり、ワークスタイルや個人の消費活動も大きく変化しています。
このように世の中が大きく変化している中で、過去の成功体験に固執し、今までのやり方、今までの成功ルールに依存することは、決して良い結果をもたらしません。
自社が所属するマーケットを見据えて、どのような戦略を取るべきか、常に試行錯誤しながら未来の売上と利益の獲得に向けて動かなくてはなりません。
3.公私の分別がない
従業員の立場から見ると、「社長は自由に経費を使えていいな~」と思われるかもしれません。
ですが、財務面から見てみると、際限なく自由に経費を使う社長ほど、赤字社長の資質を持っていると言わざるをえません。
実際に、旅費交通費や交際費、消耗品費などの科目の内訳をみていると、その会社の社長の性格が出てきます。
これらの経費が多いことが問題ではありません。中身が問題です。
中には家族旅行を経費にしたり、会社の取引に直接関係ない自分の友達や知人との飲食代を経費にしたり、好きなパソコンやタブレットを興味本位で買ってみたり、といったことをしているようでは、儲かるものも儲かりません。
大切なのは、第三者から見て会社の業績に結び付いている経費かどうかです。
4.自分に甘く、社員に厳しい
これも、赤字社長によくあるパターンです。
社長は、社員を雇用している以上、上司であり手本となるべき立場の存在です。
その社長は、自分は好き勝手にしていいけど、お前たちはルールを守れ!といったところで、実際にそれを指示された社員の皆さんは指示通りに動くでしょうか?
相手の立場に立てば、答えは見えてきます。人に何かを求める以上は、自分自身がそれ以上に自分を律することが必要です。
社員に経費のことを口うるさく言うのであれば、社長自身が経費にシビアにならなければなりません。
社員に得意先や取引先との癒着を指摘するのであれば、社長自身が率先して、得意先や取引先との関係を健全なものにしなければなりません。
すべてに出発点は社長です。赤字社長から脱したいのであれば、まずは自分を律することから始めてください。
5.外部の人付き合いが大好き
「外部との付き合いが多い」のも社長の特徴と言えるかもしれません。
ですが、この力の入れ方が問題です。
会社の業績が良い時は、自己啓発や新規獲得、新たな人脈作りの一環で外部の会合や勉強会に参加するのも良いと思います。
ですが、外部の会合や勉強会に時間を割くのであれば、当然ですが社内での社長業務の時間は制限されます。
ひどい場合には、所属している会合の役員や幹事を引き受けたために、日中の社内業務を行わず、その役員業務に終始しているケースもあります。
社内業務を任せられる幹部がいらっしゃる場合は、社長が社外での活動に時間を割いても問題ないかもしれません。
また、社内の業績改善のため、一時的に外部の勉強会に参加して猛勉強することも、社員は理解してくれます。
ですが、あくまで社長の本業は、会社の業績をアップさせることです。
残念ですが、赤字社長ほど、このバランスが崩れていると思います。
6.周りの意見に左右される
赤字社長の特徴を一言で表すと「ブレる」ということです。
一方、黒字社長はブレません。
しっかりとした芯を持って経営しておられるので、少々のことでは動じません。
また、周囲の専門家からのアドバイスにも耳を傾けますが、自分の信念に基づいて経営しておられます。あくまで自分で考え抜いたうえで行動に移しています。
ところが、赤字社長は周りの情報に翻弄されます。
社長が翻弄されると、当然ですが社員はそれに大きく振り回されます。
社長の経営判断は時として「朝令暮改」であるともいえますが、それもあくまで社長自身の経営に対する考え方が明確な場合です。
目先の利益や周りの小言に振り回されることなく、まずは自社の事業に対する信念、社長自身の仕事に対するポリシー、会社の存在意義を明確にすることからはじめてください。
それに取り組まないかぎり、赤字からは脱却できません。